化学物質過敏症(MCS)を発症した妻の症状は、想像していたよりもはるかに深刻でした

特にひどかったのが、柔軟剤の香料による湿疹と腫れ。

最初は鼻粘膜の腫れから始まり、

やがて唇、目、そして首や顔全体へと症状が広がっていきました。

顔が赤く腫れ、皮膚が荒れ、ただれていく。

見ているだけで、胸が締め付けられる光景でした。

この記事を読むとわかること
  • 「オンライン診断」では見抜けない、化学物質過敏症(MCS)特有の落とし穴
  • 顔のただれや腫れに直面した時、夫として「まず何を疑い、どう行動すべきか」
  • 家族がMCSになった時に抱える「絶望感」と、そこから立ち上がるための心の持ち方

買い物中、葵が化学物質過敏症の症状を発症。においが原因と言われても理解できない静。
【夫目線】化学物質過敏症を発症した妻と、夫の戸惑い|理解できなかった後悔と気づき【実体験】 こんにちは。 化学物質過敏症(MCS)の妻を支える夫、静(しず)です。 家族が突然MCSを発症した時、当事者ではないパート...

まず手を付けたのは「対症療法」

発疹がひどく、自分の顔に軟膏を塗る葵。首の後ろに軟膏を塗る静。

当時は原因がわからず、とにかく症状を抑える事しか考えられませんでした。

顔に使える非ステロイド軟膏を妻と一緒に調べ、薬局を何件も探し回る。

それを手に入れると、一日に何度も、二人で祈るような気持ちで塗りこみました。

手に広がる湿疹はひどく、やむを得ず、強めのステロイドを使用する事も。

ステロイドに副作用があるのはわかっていましたが……。

これで少しでも楽になってほしい

その一心で軟膏を塗り続けました。

原因不明のまま、うっすらと浮かんだ疑念

やっぱり、原因はあの時のにおいじゃないかなぁ?

他に思い当たることがないし、それ以外に考えられないよね

あの強烈な柔軟剤のにおい。

あの場面。

あの直後に始まった異変。

私たちの中で、少しずつ繋がり始めていたのかもしれません。

オンラインの診断は、まったく当てにならなかった

妻は外出できない状態だったため、皮膚科医のオンライン診断を受けることにしました。

しかし、返ってきたのは、

「化粧品が原因かもしれませんね」

という、拍子抜けする診断でした。

妻が使っていた化粧品は、

  • 以前からずっと使っていたもの
  • 敏感肌用の低刺激タイプ

今まで、ずっと問題なく使っていたものがいきなり牙を剥くなど、どう考えても不自然で、納得がいきませんでした。

ちゃんと話聞いてもらえなかった……。

この診断はさすがにないでしょ……。

検索の果てに辿り着いた「化学物質過敏症」

私たちは必死に検索を続けました。

症状、原因、体験談、ブログ……。

その果てに辿り着いたのが、「化学物質過敏症(MCS)」でした。

  • においで体調が悪化する
  • 香料、洗剤、柔軟剤に反応する
  • 皮膚症状や粘膜の腫れが出る

心当たりのある原因と、驚くほど一致する症状。

これは間違いない

私たちは確信しました。

しかし、確信と同時に湧いた絶望

化学物質過敏症という病気を突き止めたが、どうやって対策をすればいいか分からず途方に暮れる葵と静。

原因が見えた瞬間、次に浮かんだのはこの疑問でした。

こんなの、どうすればいいんだ?

治療法は明確じゃない。

特効薬もない。

理解することすら、十分とは言えない。

世の中に蔓延している化学物質を相手に、何をどうすれば……?

それでも、原因が分かったからには、

私たちは止まってるわけにはいきませんでした。

家の中から「においの元」を徹底排除

まず自分たちで出来ることから始めました。

家の中にある”においを放つもの”を徹底的に洗い出すことにしたのです。

  • 洗剤
  • 消臭剤
  • 香料入り日用品
  • 除菌用アルコール

ひとつずつ確認し、ゆっくりと代用品へと置き換えながら、排除していきました。

メイク用品、日焼け止めもすべて廃棄

メイク用品や日焼け止めも、妻と相談の上、最終的にすべて廃棄しました。

というのも、オンライン診断は的外れであると思いながらも、化粧品の可能性も完全には捨てきれなかったのです。

しかし基礎化粧品だけは、急に変えると逆に肌刺激となるので、少しずつ様子を見ながら、慎重に変えていきました。

妻にとって、それは「日常の一部を失う」と言っても過言ではない状況でした。

妻は、さらに外に出れなくなった

お化粧品なくなっちゃった……。

日焼け止めも処分したもんね

本格的にお出かけできなくなっちゃったなぁ……。

結果として、妻は以前よりもさらに外出が難しくなりました。

買い物はおろか、宅配の受け取りすら困難だったのです。

私はそばで見ていました。

人一倍肌が弱く、それでも一生懸命スキンケアを頑張ってきた妻。

その肌が、ただれ、腫れて、荒れていく。

悔しくて、悔しくてたまりませんでした。

私は「自分ごとのように」辛かった

本当に辛いのは、妻です。それは間違いありません。

それでも私は、まるで自分のことのように苦しかったのです。

気づけなかった自責。

理解できなかった後悔。

どうすればいいか分からない焦り。

私は寝ても覚めても妻のことを考え、そして同時に、自己嫌悪に陥る日々を送りました。

そして私は、決意した

葵との笑顔のある未来を目指し、その実現を決意する静。

妻が、また以前のように暮らせるように、出来ることはすべてやる。

いくらでも勉強する。

今までの生活が180度変わっても構わない。

妻と、笑顔で、安心して暮らせる環境を作る。

それを、自分の使命にしました。

今、この記事を読んでいるあなたも、大切な人の苦しむ姿を前に

「自分に何ができるだろう」

と、行き場のない不安の中にいるかもしれません。

私たちも、暗闇の中を手探りで進んできました。

でも、出口は必ずあります。

私たちが最初の一歩をどう踏み出したのか、この先の記録が、あなたの心を少しでも軽くするヒントになれば幸いです。

次回予告|家の中での香害対策

次の記事では、MCS発症後に、家の中で行う香害対策にスポットを当ててまとめ記事を作成したいと思います。

  • 家の水道水対策
  • お風呂の対策
  • 洗剤の総取り換え
  • 近隣住人からの香害

当事者・家族にとって、実用性の高い内容にまとめたいと思います。

買い物中、葵が化学物質過敏症の症状を発症。においが原因と言われても理解できない静。
【夫目線】化学物質過敏症を発症した妻と、夫の戸惑い|理解できなかった後悔と気づき【実体験】 こんにちは。 化学物質過敏症(MCS)の妻を支える夫、静(しず)です。 家族が突然MCSを発症した時、当事者ではないパート...

実践される際はご自身の体調に合わせてご判断ください。詳細は[免責事項]をご確認ください。