夫の静です。

今回は、初めて化学物質過敏症(MCS)に直面した時のことを、

夫の視点から書かせてもらいます。

ある日突然、家族がMCSを発症した時

「何をどこまで気をつければいいのか」

「自分まで生活を変えなきゃいけないのか」

そんな戸惑いや葛藤を感じる方も多いのではないでしょうか。

私自身も、最初は戸惑いの連続でした。

この記事では夫という立場から、

妻の症状に直面した時の「驚き」と「戸惑い」、

「一番の味方になる」ための心の持ち方についてお話しします。

同じように悩むご家族の気持ちが、少しでも楽になれば嬉しいです。

この記事を読むとわかる事
  • 「香害」はわがままや好き嫌いではなく、体からの「SOS」
  • 香料に囲まれる環境で、いかに自分の嗅覚が「麻痺」していたか
  • 一番の苦しみは症状よりも、家族に「信じてもらえない」こと

この記事の結論

家族のMCSを「気にしすぎ」と片付けず、自分の感覚の麻痺を自覚して、世界で唯一の『信じられる味方』になることの大切さを説きます。

▼こちらでは、妻の症状を目の当たりにした私の「後悔」と「決意」について綴っています▼

【夫目線】化学物質過敏症の発症後、妻の肌に起きた異常|柔軟剤の香料で顔がただれた日【実体験】 夫の静です。 今回は、化学物質過敏症(MCS)を発症した妻と向き合う中で、私が「心に誓ったこと」について書かせてもらいます。 ...

化学物質過敏症とは?においで体調を崩す病気

「MCS」とは、香料などに含まれる微量の化学物質によって、

頭痛や吐き気などの諸症状が現れる病気です。

実は妻が顕著に発症するまで、

私は「気にしすぎじゃないか?」と思っていました。

しかし、隣で苦しむ姿を見るうちに、

これが気のせいではなく「身体のSOS」なのだと痛感したのです。

葵

においがキツいなぁ……

静

えっ、そうかな(何も感じないけどなぁ……)

最初の異変は、何気ない買い物の中で

二人で日用品の買い物をしていた時のこと。

突然、妻が苦しそうな様子でその場から逃げ出したのです。

急な出来事で、私は何が起きたのかすぐに理解できませんでした。

葵

あっちに行きたくない。頭痛と吐き気で無理。

静

だ、大丈夫?(全然、分からなかった……)

原因は、「すれ違った人がまとう柔軟剤」の香り。

しかし当時の私は「ちょっと鼻が敏感なだけだろう」と、

どこかで軽く受け止めてしまっていたのです。

私が理解できなかった理由、それは嗅覚の”麻痺”

妻の訴えを「大げさだ」と感じてしまった理由は、

私の「嗅覚がすでに麻痺していたから」です。

思えば、私は子どもの頃からずっと、

当たり前のように強い香りに囲まれて育ってきました。

  • 家庭内: 香料入りの柔軟剤・洗剤、両親ともにヘビースモーカー
  • 家の車: 狭い空間に芳香剤が充満
  • 学校: 制汗剤や湿布、エアサロンパスなど

それが私の「普通」でした。

強いにおいの中にいてもそれが当たり前すぎて、

不快感すら抱かなくなっていたのです。

だからこそ、妻が必死に訴える「においのつらさ」が、

最初は他人事のように聞こえてしまったのかもしれません。

「香り=身だしなみ」だと思い込んでいた

成人してからも、私の環境はさほど変わりませんでした。

  • 香料入りの洗剤・柔軟剤を使用
  • 石鹸の香りがする制汗剤を使用
  • 外出の時はたまに香水も使用

まるでそれが大人のマナーであるかのように。

その根底には、こんな強い思い込みがありました。

静

周りに不快な思いをさせないように、清潔にしなきゃ

そんな思いから、私は香りでごまかす事に必死になっていました。

しかし今振り返ると、それは気遣いとは正反対の行動。

「その香りが誰かを苦しめているかもしれない」

という可能性を、私は全く考えていなかったのです。

妻のつらさを、本当には理解していなかった

だからこそ、妻がにおいで頭痛や吐き気を訴えても、

その辛さを理解しきれていませんでした。

そんな私の傲慢さを打ち砕いたのは、妻の体に現れた異変でした。

葵

かゆい……いたい……かゆい……

静

……(私は何ということを……)

目に見えない「におい」がこれほどまでに、

目に見える「傷」として妻の体を蝕んでいる。

その現実を目の当たりにした時、

ようやく改心することができました。

今ならはっきり言えます。

身体の症状も辛かったはずですが、それ以上に

「一番の味方であるはずの夫に信じてもらえないこと」

それこそが、一番深く妻を傷つけていたのだと。

発症をきっかけに気づいた鈍感さと後悔

MCSを発症した妻と向き合う中で、

私は初めて、自分の感覚の鈍さや無自覚さを突きつけられました。

正直に言えば、今でも

「もっと早く気づけていれば」

「あの時あんな風に言わなければ」

と、後悔する場面は少なくありません。

それでも、妻が感じている苦しみを少しずつ「想像」し、

これまでの自分の「常識」を少しずつ変えていく。

そうやって一歩ずつ歩み寄ることで、

私たちの暮らしは、以前よりもずっと

「心地よいもの」へと変わっていくと信じています。

おわりに

私が至った結論は、とてもシンプルなものでした。

私が導き出した結論

妻の事を最も信じることができるのは、私だけ。まずは、『妻の言葉を信じる事』から始めなければならない。

この記事は、過去の自分への深い反省であり、

そして今、かつての私と同じ立場にいる人へのメッセージでもあります。

  • 大切な人の体調変化に戸惑っている人
  • MCSに悩む家族を懸命に支えている人
  • 「どう向き合えばいいか分からない」と一人で悩んでいる人

もしこの記事が、そんなあなたの心を少しでも軽くし、

「ひとりじゃない」と感じるきっかけになれば──。

夫として、一人の人間として、それ以上に嬉しい事はありません。

▼MCSとは何か、基本的なことを以下の記事でまとめています▼

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