「健康と節約のために車を手放す」

それは多くの人にとって、

賢明な選択に思えるかもしれません。

私たちもそう思っていました。

しかし、

妻の化学物質過敏症(MCS)の発症により、

その日常は一変。

電車やバスは逃げ場のない

香害」に満ちた密閉空間へ。

移動手段を失うことは、

社会との繋がりを絶たれることに等しいものでした。

MCSに悩み、

「外に出るのが怖い」と感じているあなたへ。

これは、私たちが

「自分らしく生きるための空間」を

取り戻すまでの記録です。

この記事を読むとわかる事
  • 化学物質過敏症における「自家用車」の真の重要性
  • 公共交通機関・徒歩移動に潜むリスクと限界
  • 環境を変えることで見えてくる「移住」という選択肢

結論

香害に晒される公共交通機関や徒歩移動の限界を悟り、心身を守る「移動式シェルター」を手に入れることで、自分たちだけの安全な空気と自由、そして移住という新たな希望を掴み取った記録となります。

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節約のために手放したはずの「愛車」

かつて、私たちは車のない生活を送っていました。

以前の愛車は年数経過と維持費を理由に手放し、

徒歩と公共交通機関へシフトしていました。

公共交通機関が「恐怖の密閉空間」へと変貌

妻のMCS発症後、

それまで利用していた電車やバスは、

避けることのできない香害

に満ちた空間に変わりました。

逃げ場のない「香害」リスク

密閉された車内では、

他人の柔軟剤、香水、整髪料すべてが混ざり合い、

マスクを着用していても防ぎようがありません。

試行錯誤の限界

当初は、何とか頑張って乗車しようと試みていました。

  • 空いている時間帯を選ぶ
  • 人が少なそうな車両を吟味
  • ドア付近を死守する

そんな工夫も、焼け石に水。

電車、バス、モノレール、そして飛行機。

あらゆる公共交通機関が

私たちの選択肢から消えていきました。

車は単なる「移動手段」ではなく「移動できる避難所」

私たちは一つの確信に至りました。

MCS患者にとって、

自家用車は単なる便利な道具ではありません

外界の化学物質から身を守り、

安全に移動するための

移動式シェルター」なのです。

自分たちだけの空気を

コントロールできる空間を確保する事。

それが、この化学物質が溢れる社会で、

私たちが人間らしい生活を取り戻すための、

唯一の、そして必須の選択肢でした。

片道300kmの命がけの納車旅

移動手段を失い、

生活が立ち行かなくなった私たちにとって、

車探しは何よりも優先すべき事となりました。

限られた予算の中で、

私たちは中古車市場から最善の1台を探し始めました。

一刻の猶予もない「シェルター探し」

私たちは当初、以下のような条件で車を探していました。

  • 予算50万円以内であること
  • タバコなどのにおいがついてない「禁煙車」であること
  • 犬猫などのペットが乗っていないこと

当初は維持費の安い軽自動車を検討していました。

しかしある日、運命的な出会いが訪れます。

画面に映し出された鮮やかなオレンジ色のパッソ。

それに一目惚れした妻の直感を信じ、私たちは予算を調整。

すぐさま販売店へと問い合わせを入れました。

そして、私たちは即決することになるのです。

「輸送費」か「命がけの旅」か

手続きは順調に進みましたが、

ある問題に直面しました。

そのパッソの在庫があるのは、

香川県の本社。

私たちの住む福岡県までは、

陸送サービスを利用することも可能でした。

しかし、提示された輸送費は、

今の私たちの家計にはあまりに大きな負担。

自分たちで引き取りに行けば、コストは大幅に抑えられる

そう結論を出した私たちに残された手段は、たった一つ。

意を決して、最後にもう一度だけ公共交通機関を利用すること。

それは過敏症を抱える妻にとって、まさに命がけの博打でした。

香川県で見つけた「希望」

なんとか香川県の目的地の駅に着いた時、

私はあることに気づき、息を呑みました。

~♪

あれっ、……マスクは?

息が吸える~♪

横を見ると、

あんなに過敏に反応していた妻が、

マスクを外していたのです。

気持ちよさそうに外気を吸い込み、

笑顔で歩く妻の姿。

その光景を見た瞬間、

私の胸にある一つの確信が生まれました。

無理に今の場所に執着しなくていい。

妻が普通に息ができる場所へ引っ越せばいいんだ

それは、この苦しい闘いの中で見つけた、

思わぬ「希望」の光でした

移動式シェルターの納車

こうして私たちは、

パッソという名の「移動式シェルター」を手に入れました。

公共交通機関という檻から解放され、

自分たちだけの安全な空気と共に、

私たちは福岡への道を力強く帰還したのです。

おわりに

あの日パッソで福岡への道を走り抜けた時、

私たちに再び「自由」が戻ってきました。

MCSと共に生きることは、

常に目に見えない壁との戦いです。

もし今、あなたが逃げ場のない香害や、

外に出ることへの恐怖に押しつぶされそうになっているのなら、

どうか自分を責めないでください。

そして、今の場所に執着しすぎず、

あなたが「息ができる場所」が

この世界のどこかに必ずあることを忘れないでほしいのです。

自家用車というシェルターは、

私たちにとってゴールではなく、

新しい人生へ向かうための「最初の一歩」でした。

たとえ一歩ずつでも、

自分たちの心地よい空気を探して進んでいく。

その先に待っているのは、

きっとマスクを外して笑い合える、

穏やかな未来だと信じています。

次の記事では、

「栄養士」の資格を持つ妻と一緒に取り組んだ、

「食生活の見直し」ついて触れていこうと思います。

当事者・家族にとって、実用性の高い内容にまとめたいと思います。

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