【夫目線】妻の化学物質過敏症で移住するために、私が「転職」を覚悟した理由【実体験】
こんにちは、夫の静(しず)です。
我が家は今、妻の葵が安心して呼吸できる場所を求めて、移住への準備を着々と進めています。
しかし、移住を実現するにあたって、絶対に避けては通れない「現実的な大問題」があります。
それが「転職」です。
現在の安定した収入を得られる職場を離れ、見知らぬ新天地で一からスタートする。
これはとんでもなく大きな決断力と、強烈な勇気を要することです。
「大切な家族のために環境を変えたいけれど、今の仕事を辞めるのが怖い」
「移住先で本当に暮らしていけるのだろうか」
そんな不安で一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
今回は、私の「転職」にスポットを当て、胸の内にある葛藤と、前に進むための具体的なお話をします。
- 大企業の安定を手放してでも、移住を選んだ決定的な理由
- 移住・転職を成功させるために設定した「準備期間」と具体的な3つの作戦
- 妻のためだけじゃない。40歳という年齢を迎えた、私自身の本音
この記事の結論
長年築いた安定を手放すのは正直に言えば怖いです。しかし、化学物質に苦しむ妻を前にしたとき、私の迷いは決意へと変わりました。この記事が、人生の大きな岐路に立って一人で悩んでいるあなたの背中を、優しく支えるヒントになりますように。
▼「静目線」の記事を網羅しているページはこちらです▼
1. 私の現在の職種は?「年収620万」という安定
転職の葛藤をお話しする前に、まず私の現在の仕事について少しお話します。
私は現在、福岡県にある某自動車メーカーに勤務しています。
勤務形態は、基本は「昼勤・夜勤」の完全二交代勤務。
現在は車両の増産対応を受けて、期間限定で「日勤・中番・夜勤」の三班三交代勤務で働いています。
職種は「車両検査」の業務に携わっており、充実した手当(交代手当、夜勤手当、休日出勤手当など)のおかげで、現在の年収は620万円程あります。
地方で妻と二人で暮らしていくには、十分すぎるほど恵まれた収入です。
このままこの会社に勤め続けていけば、役職も上がり、お金に困ることなく定年退職を迎えられる『約束された安定ルート』でした。
2. 妻のMCS発症。この街で生きる限界
本来であれば、その安定ルートを疑いもなく歩んでいたはずでした。
しかし、妻のMCSの発症を受け、その未来を描くことは厳しいと言わざるを得なくなりました。
なぜなら、現在の環境には以下のような「目に見える限界」があったからです。
- 街全体の環境:工業地帯ゆえの空気の悪さ
わが家があるエリアは大規模な工場が多く、街全体の空気の質が悪いという現実があります。発症後の葵にとっては毎日が化学物質との戦いになってしまいました。 - 職場の環境:溶剤や排気ガスが漂う「化学物質の温床」
私自身が勤める工場も、塗装の溶剤や車両の排気ガスが漂う、まさに化学物質の温床です。私が仕事着や体にそのニオイを付着させたまま帰宅することが、家で待つ妻への二次災害になるリスクと常に隣り合わせでした。 - 精神的な環境:大切な人が毎日家で苦しんでいるという現実
私がいくら工場で稼いできても、そのお金を使う場所(家)で、一番大切な人が苦しんでいる。これでは何のために働いているのか分からなくなってしまったのです。
私たちの中に「移住」という選択肢が浮かんできたのもこの頃でした。
わが家が移住を決意した出来事はこちら
3. 転職か、残留か。40歳になる私の葛藤
現在の職場はとにかく安定しています。
移住をすれば、そのすべてを自分の手で手放さなければなりません。
「本当に次の仕事が見つかるのか?」
「収入が激減して、暮らしていけなくなったらどうしよう」
「正直、怖い。不安だ。」
そんな葛藤が、当然のように頭の中でぐるぐると湧き出してきました。
大黒柱としての責任があるからこそ、悩まない方が不自然です。
しかし、化学物質に苦しむ妻の姿を目の前に、その葛藤は長くは続きませんでした。
『お金の安定』よりも、『妻が普通に息をして、笑顔でいられる場所』の方が、私にとってはるかに価値がある。
他は何とかなるさ、と腹を括りました。
4. 移住を決意。覚悟の「2年間」で進める3つの作戦
ただ感情だけで動いては、共倒れしてしまいます。
私は葵にお願いをして、次の転職と移住を確実に成功させるための「準備期間」をもらうことにしました。
三交代勤務の期間(会社の方針)を逆算し、決意した日から猶予は約2年。
私たちはこの2年間で、以下の3つの作戦をしっかり進めていく決意をしました。
① 引っ越し資金と「生活防衛費」の形成
移住先で、一時的に収入が途絶えたり下がったりしても心が折れないよう、現在の高い給与が出ているうちに、しっかりお金を貯めます。
「これだけあれば多少何かあっても大丈夫」という生活防衛費を作ることで、転職への恐怖を数字で消し去ります。
② 資格の取得(次の転職を有利にする)
40歳での未経験転職は甘くありません。
そのため、移住先の求人で有利に働くための資格取得に向けて、今から勉強をスタートします。
③ この三交代の期間内で全ての準備を終わらせる
「いつか移住できたらいいな」という曖昧な計画ではなく、三交代勤務が終了する2年後という「明確な期限」を設けることで、ダラダラせずに全ての条件を揃えにいきます。
5. 妻の事だけじゃない。胸の中にあった「自分自身」の不安
転職を決意したのは、決して妻のためだけではありません。
実は、私自身の中でも、現在の働き方に対して「このままでいいのだろうか」という強く思うところがあったのも、大きな要因です。
私は今年で40歳。
20代、30代の頃とは明らかに体力が変わってきており、現在の過酷な勤務形態にいつまで体がついていけるか、大きな不安がありました。
完全二交代の時は毎日当たり前のように残業があり、休日出勤は月に3〜4回。
現在の三班三交代でも、同じだけの休日出勤が組み込まれています。
何より、毎週のように生活リズムがひっくり返る「夜勤」が、とにかく40代の体にキツイのです。
毎週、体が強烈な時差ボケを起こしているような状態でした。
普段の食事や生活習慣にどれだけ気を配っていても、ここ最近の健康診断では、ついに「A判定」を取ることができなくなってきました。
年収620万という収入は申し分ない。
けれど、このまま会社に体を捧げて健康を損ねてしまったら、何のための人生なのか?
その疑問が、私の背中を強く押してくれたのです。
まとめ:考え方を変えれば、これは人生を変える「最高のチャンス」
移住と転職は、これまでの住環境や人間関係、キャリアをリセットする、人生最大級の大きな決断です。
「新天地でうまく就職できるだろうか」
「妻と不自由なく暮らしていけるだろうか」
そんな不安は、今でもゼロになったわけではありません。
しかし、考え方を少し変えてみたのです。
「これは、流されるように生きていた人生を、自分たちの手で一気に変えるための『最高のチャンス』なんじゃないか」と。
妻の病気がきっかけではあったけれど、だからこそ私たちは、これからの人生をどう生きたいか、真剣に話し合うことができました。
ただ平穏に定年を迎えるルートを外れた先には、きっと私たちの想像を超える、新しくて心地よい発見が待っていると信じています。
もう、迷わず前に進むだけです。
明日も、妻と私の、二人の未来の笑顔のために。
全力で準備を続けていきます!
▼うたたねの記事を集約しているページはこちらです▼
.png)