「できないこと」を数えるのをやめた日。化学物質過敏症になって気づいた、何度でもやり直せる“毛糸の優しさ”と新しい自分
こんにちは、葵です。
「私にはできない」と諦めていたことが、今の私を救ってくれる存在になりました。
化学物質過敏症(MCS)になり、多くの『当たり前』を諦めてきた私。
そんな制限だらけの生活の中で再会したのは、かつて大嫌いだった「編み物」でした。
高校時代の苦い経験から、私にとって編み物は劣等感の象徴。
でも、肌に優しい素材のものが売っていないなら「自分で編むしかない」という切実な思いが、私を十何年か越しのリベンジへと向かわせたのです。
失敗しても何度でもやり直せる毛糸の優しさに触れるうち、解けていったのは編み目だけでなく、私自身の「不器用」という思い込みでした。
今回は、MCSという病気をきっかけに見つけた「新しい“できること”」と、自分らしい毎日を編み進める喜びについてお話しします。
- 「ないなら作る」という逆転の発想!市販品が使えないMCS当事者が、自分を守る素材(綿100%など)を手に入れる方法
- 不器用という「自分への呪い」を解くヒント。YouTubeを活用した、十何年越しのコンプレックス克服のプロセス
- 失敗しても「何度でもやり直せる」毛糸の性質から学ぶ、自分自身を許し、肯定するためのマインドセット
私が編み物に目覚めた理由
「私は、世界一不器用だ」 高校時代の苦い経験から、ずっとそう思って生きてきました。
家庭科の授業で習った編み物。
何度教えてもらっても指先が思うように動かず、先生や友人からも「……頑張ろうね」と半ば諦められる始末。
クラスメイトが素敵なマフラーを完成させる中、私が作れたのは、コースターにすらならない、歪で小さな「何か」でした。
それ以来、編み物は私にとって「劣等感の象徴」であり、一生関わることのない趣味だと思っていたのです。
「ないなら、作るしかない」という一大決心

そんな私が、なぜ今、毎日毛糸と向き合っているのか。
きっかけは、MCSによる「素材選び」の壁でした。
肌に直接触れるマフラーやネックウォーマー。
市販品で「綿100%」や「シルク」などの安心できる素材を探しても、デザインや質感が理想に合うものになかなか出会えませんでした。
そんな時、検索画面にふと現れたのが「綿100%の毛糸」でした。
「既製品がないなら、自分で編めばいいんじゃない……?」
かつての私なら、絶対にそんなことは思いつきませんでした。
でも、今は違います。
あんなに苦手だったヘアアレンジも、少しずつ形になってきている。
それに、今の時代にはYouTubeがあります。
本では理解できなかった複雑な動きも、動画なら何度も止めて、手元を確認しながら進められる。
「とりあえず、百均の綿糸で練習してみよう」 そうして私の、十何年か越しのリベンジが始まりました。
「ほどいてやり直せる」という優しさ
いざ始めてみると、案の定、失敗の連続でした。
力みすぎて編み目がガチガチになったり、途中で目を飛ばしてしまったり。
マフラーを作りたいのに、長編みができず、全部「細編み」で編み進めて、おそろしく硬い布ができあがったり……。
でも、編み物には素晴らしいところがあります。
それは、「何度でもほどいて、やり直せること」です。
失敗しても、シュルシュルと糸をほどけば、また真っさらな状態からやり直せる。
毛糸を無駄にすることなく、私の納得がいくまで付き合ってくれる。
その「やり直せる優しさ」が、不器用な私の心を少しずつ解きほぐしてくれました。
ただ、綿糸でも細かい繊維が舞うことがあるので、
体調と相談しながら慎重に進めるのが私なりのコツです
「できないこと」ではなく「できること」に目を向けて
MCSになって、失ったもの、できなくなったことは確かにたくさんあります。
行けなくなった場所や、手放した習慣も数え切れません。
でも、この病気にならなければ、私は一生「自分は不器用で編み物ができない人間だ」と思い込んだままだったでしょう。
ネックウォーマーできた☆
すごいね、私にも作ってくれるかい?
「できないこと」ばかり数えて悲しくなる日もあるけれど、こうして新しい「できること」を見つけられた日は、世界が少しだけ明るく見えます。
少しずつ、一目ずつ。私は今日も、自分らしい毎日を編み進めています。


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